3月23日、都立高校としては2校目の農芸高校にて授業を実施しました。
今回は学校の専門でもある食料自給率がテーマ。食料自給率の問題を、杉並の現状に絡めながら学習していきます。
今回の表向きの争点は、食料自給率にどう対処するか。様々なデータを用いながら、食料自給率の現状について学習していきます。特に、杉並区の名産品である「大根」の自給率も絡めながら、大きな問題を身近な問題と絡めながら解説。しかし、さすが農芸を専門にしている高校。司会者からの質問にも積極的にかつ正確にリアクションを返してくれました。
しかし、今回は裏向きの大きなテーマを用意。それは、候補者のキャラクターに騙されずに、政策を吟味して投票を行うというものです。
今回候補者役を行う3人は、①最も合理的な解決策を示しているものの、解決策の内容が一件難解で、性格もツンとしている候補、②とんちんかんな政策を快活に朗々と話すことでそれっぽく語るとても明るい候補、③問題を正面から解決するわけではないが、遠回しに解決を見込むことができる政策を語る、とても性格と人当たりの良い候補。それぞれ一長一短があります。実際の政治では②のとにかく明るくてそれっぽいことを語る候補者が強く、①の合理的なことをいっている冷血な政策通は人気が出ないこともあるかもしれません。しかし、敢えてそこを見抜いてほしいという思いで今回は設定をつくりこみました。
問題について解説し、解決策を候補者から発表した後はディスカッションを実施。
ディスカッション時、候補者は各グループを巡り、自身の支持を訴えました。①の候補はとにかく淡々と、②の候補はとにかく握手をして回り、③の候補は人当たりよく政策を解説。その中で、大学生のファシリテートのもと、生徒は得意分野に関する政策論争をかなりハードに展開。「食料自給率に関する未来を担うのは自分たちじゃん?」そんな当事者意識も垣間見えました。
授業の結果、①の冷血な政策通が勝利。候補者のキャラクターに騙されることなく、合理的な政策を唱える候補が選ばれました。
授業後も食糧自給率問題について議論を交わす生徒もちらほら。自分たちの得意分野について学びつつ、実際の政治の問題も体験できる票育授業でした。