代表後藤が寄稿した記事を月刊モルゲン9月号に掲載していただきました。
モルゲンとは、全国の高校約2200校、中学校にも約1000校に
配布される月刊誌です!
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もしかしたら、この投稿をご覧になっているみなさんの学校にも置いてあるかもしれません。
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《若者宣言への旅》
私たちNPO法人「僕らの一歩が日本を変える。」は2015年8月4日に、全国から集まった高校生100人と与野党問わず国会内全政党の国会議員が集う「高校生100人×国会議員vol.5」というイベントを開催した。
この企画は組織設立の2012年から毎年行われている企画で、今年で5回目の開催を迎えた。今回のテーマは『若者宣言への旅』。若者が政治的イシューに対して考えていることや届けたい声を「若者宣言書」として形にするまでを目的とした。多くの方々のご協力で「若者宣言書」には国会内全政党が企画協力として名を連ねている。今回議論のために設定した10コースは憲法、18歳選挙権、地方創生など若者の声がタイムリーに求められていて、なおかつ無関心のまま放っておけば将来に影響がでる重要なテーマだ。見所はまず第一部での「問題理解」。各コースに有識者が入り、議論に向けての前提知識やデータ紹介を行う。次の第二部では国会議員と高校生の議論がメイン。違う意見を持ちながら、お互いの想いをぶつけ合いながら「宣言」という一つの目標に向かって議論を進める。最後は各コースごとに発表される若者宣言から、会場にいる全員の投票で最優秀若者宣言を決めた。投票ツールはiPad。それまでレクチャーをしていた有識者、国会議員、受けていた高校生でもその場で持つのは同じ1票。iPadの前に議員も高校生も有識者も一列に並ぶ姿は「一人一人が持つ一票の大切さ」を表していた。投票の結果、多様性コースの若者宣言「WELCOMINGOUT」が優勝。マイノリティであることを告白できる社会、それを受け止める社会の体制をつくっていくという宣言である。
《変化している若者と政治の関係性》
私自身、10代の頃から少しずつ活動を続けているなかで、18歳選挙権成立や、若者による安保法制反対デモが話題になるなど「若者と政治」の関係性に以前より前向きな変化を感じている。特に私は政治側に変化が生まれているのではないかという印象を持っている。それを感じさせてくれるシーンが今イベントにも多々あった。各政党代表クラスの方々が登壇する代表挨拶や第二部の議論においては国会議員の高校生へのメッセージの毛色が過去のイベントとは少し違ったのだ。今までは「関心を持つ高校生を褒める。」だけであったが、今回は「具体的な政策や、政治と向き合う際の思考法」などかなり具体的な要望やメッセージが政治家側から飛び交っていた。新しく生まれた240万人の有権者の可能性が日本にとって重要だということを感じさせられた瞬間だった。また、先ほど挙げたような若者と政治において議論が巻き起こるトピックが増える事に比例して、数年前より確実に若者の政治参加の方法は増えている。その中のどんな方法でも大切にしたいのは『想いを声にすること』だ。今回においては「宣言」だったが、きっと反対の声を届けようとするデモも同じだと思う。私たちはその声が受け入れられる居場所を政治の中に作らないといけない。想いと声を形とアイディアにし、それが受け入れられる社会をつくらなければいけないと思う。若者と政治のどちらの可能性も開花させること。それこそ私たちが力を入れている新しい出会いを届けることなのだ。
《新たな一歩、僕らの一歩。》
その想いは以前より確実に強くなっている。昨年末の騒動は今イベント開催においての大きな壁となった。特に11月に広報活動を自粛してから5月に再始動とイベント実施を発表するまでの半年間、挫折の連続だったように思う。誹謗中傷を湯水のように浴びる毎日、頭を下げる毎日、去っていく仲間たち、信頼や信用が崩れる様を目に見える形で体験した。当時はNPOの解散も考えたが、そんな時でも支えてくれる方々、「また立ち上がろう」といってくれる仲間がいた。覚悟を決めた私たちの想いは1つ。政治に対して若者が再挑戦できることをチームで証明したいということ。その想いの元、今までイベントに協力してくださった160名を超える国会議員の皆様、政党本部、スポンサー、サポーターなど半年間、謝罪に努めた。謝罪に回りながらも、どう復活し、社会のために自分たちが今何をしなければならないのかをひたすら突き詰めた。そして4月にご迷惑をおかけしたすべてのみなさまへの謝罪を終え、5月に再始動を発表するに至った。
《NPOとして開花させる「政治×エンターテイメント」の可能性》
ただ、イベントを成功させてそれで終わりであればNPOとして存在意義を社会に残していると言えない。大切なのは仕組みとして政治と若者に新しい出会いを届けることだ。今考えていることは2つある。
1つ目は公教育での政治教育の拡充。特定の信条や思想を押し付ける危険性をはらんでいることから教育現場から敬遠されがちな政治教育だが、選挙権年齢の引き下げに伴って充実させた授業プログラムを中高生に届ける必要がある。先生がたにとって難易度が高いのであれば、外部団体やNPOの力など第三者の力が不可欠だ。政治教育には、ただ選ぶ力を養う力だけでなく、政治を通して発想する力やアイディアを生み出す力を養うことも必要だと考える。私たちはこれを実現するため、「票育」と称し、都内地方問わず出前授業を行っている。内容はタブレットを使用したりSNSと連携をさせたり、エンターテイメント性に富んだもの。また、大学生を教育現場を経験するボランティアとして巻き込むことで、地元の大学生と地元の中学生のつながりを生む仕掛けも作っている。
2つ目は行政の中に若者の居場所をつくること。居場所とは目に見えるものだけではなく、声が届いたり、アイディアを実践できる場があったりということだ。これを実現するために地方自治体と連携し、高校生が政治を変えるサマーキャンプや自治体留学などを通して実現したい。
今後の展開等も連ねて書いたが、今回のイベントを通して、たとえ1人では政治に声を届ける決断も覚悟もできなくても、ぼくいちで全国から集まった仲間達と一緒ならその勇気が湧いてくる。「高校生100人×国会議員」はそんな一歩を後押しできる場所に、これからもしていきたいと思う。10年後になるか30年後になるかわからないが、この「高校生100人×国会議員」を開催することなんてもう意味がなくて、若者の声は当たり前に政治に届いていて、『日本が頼ったのは、100人の高校生だった。』と、誰かが思ってくれていればこれほど嬉しいことはない。