10/8、初めての東京外、しかも岡山という地で票育授業を行わせていただきました!
対象は倉敷高校の2年生、約270名。
担当の先生から事前に言われていたのは、
「うちの生徒たちは言葉と心のキャッチボールができない。」
プロジェクトメンバー一同、それを聞いて、
「よっしゃぁ!やってやるぜ!!」
・・・なんてことになるわけもなく、
「やばい、これはガチで考えなきゃ。。」
と戦慄を覚えるところから始まりました。
そんな緊張感と責任感をもちながら、高いプランニング能力を誇る樋口がコンテンツ設計を担当。
それを代表の後藤、副代表の村山、寺井、星野でがっちりサポート。
岡山という土地柄と地方創生を絡めながら。コンテンツをつくっていきました。
そして、期待と不安を抱えながら始まった初の岡山での票育授業。
コンテンツは完全に岡山オリジナル。
以下テキストとダイジェストムービーからその全貌をご覧ください!
※ダイジェストムービーは記事下部
■準備(12:00-13:30)
今回使用したのは武道場。
半面を主に使い、残り半面には端から端まで記載台と投票箱を設置。
48の記載台に8つの投票箱。これまでの票育のなかでも最大規模。
選挙管理委員会の方がお2人で頑張って運んできてくださいました。
さらにさらに、今回は初めて計数機まで持参していただきました!
後ほど、彼らは大活躍しますので楽しみにお待ちください。
会場設営に同時進行で、リハーサルとブラッシュアップにも余念がありません。
「このスライド、あんま意味なくない?」「ここ、ぜんぜん面白くないからカットしよう。」
面白い授業を提供しようと、コンテンツの改善は開始数分前まで行われていました。
準備は整い、そろそろ生徒入場。円陣を組み心を1つにして、生徒たちを待ちます。
■生徒入場 (13:30-13:37)
約270名の生徒が武道場に入場。
8クラスが2列縦隊でギチギチに座っている姿は圧巻でした。 緊張感が高まります。
■イントロダクション(13:40-13:45)授業開始。
「よっしゃぁ、楽しませながら岡山について考えさせたる!!」という想いで約270名の生徒の前に登場したその瞬間!!
先生方による、私語をする生徒たちへのお叱りが。。
「楽しく聞いてもらえればいいんで、そんな怒らなくても、、」と思いながらも、悪い空気を断ち切らなければと一層、緊張感が強まります。
静かになったところで礼。
先生から団体のご紹介を受け、代表の後藤が意気揚々とマイクを引き継ぎました。
後藤「みなさん、こんにちは!NPO法人僕らの一歩が日本を変える。の後藤と申します。」
ここで、後藤は距離を縮めるため、先生から聞いていた事前情報をもとにツカミを繰り出します。
後藤「あのー、みなさん僕らに不満があるって聞いてたんですけど、、女子大生いなくてすみません。。(笑)」
生徒の8割近くは男子だったので、ツカミとしてはばっちりだねと先生と話していたネタ。
「早く反応が見たいね」って笑いあっていたネタ。
僕らと先生の予想に反し、武道場は森林にいるかのような静けさに包まれました。
それでもめげることなく、今回の授業と生徒のみなさんへの想い、そして団体紹介を話し終え、 司会の樋口にバトンタッチしました。
■地方創生って?(13:45-13:50)
今回のコンテンツの司会を務める樋口から、「地方創生」について説明。
ここからぼくいちのエンターテインメント性はギアをあげます。
樋口「みなさんこんにちは、NPO 法人僕らの一歩が日本を変える。の樋口と言います。 よろしくお願いします。岡山県は、来るの 3 回目です。」
樋口「今年の夏、この辺りを色々まわってたんです。香川とか、愛媛とか、広島とかね。そう、香川も行ったんです。田舎過ぎて、ここは日本かと疑いましたよね。」
樋口「あ、ごめんなさい。これ香川じゃなかった。鳥取だった。」
思ったより爆笑に近く、一同、ホッとしました。
樋口「香川といえばうどんですよね。要潤がやってる「うどん県」っていうCM、インパクト凄い大きいですもんね。香川が「うどん県」をアピールしてるのには、「地方創生」っていうのが関係してるんです。そこで、今日はこの「地方創生」について学んでいきたいと思うんですが、 この「地方創生」 というのは、少子化とか、過疎化とか、そういう中で魅力的なまちを作っていこうという意味の言葉です。で、この地方創生に関連して、色んな都道府県が、自分たちの県の魅力をアピールをしてるんです。 」
ここで、広島県、徳島県、香川県のダイジェストムービーを流しました。
広島県: 徳島県: 香川県:
最後の香川県のムービーは特にウケてました、
樋口「で、当然のように岡山県も県がこういう動画を作ってるんですが、岡山は大都会だし、倉敷も有名だし、そんなものいらねーよと思ったりしてないですか? でもね、残念なことに、去年、岡山県は都道府県魅力度ランキングで47都道府県中38位だったんですよ。」
生徒たちからは笑いが。
樋口「おーけー。まだ危機感が沸いてないかもしれない。前回の AKB の総選挙で38位だった人を見てみよう。」
樋口「誰やねん! 名前聞いたことないぞ。ということで、ランキング38位っていうのはかなりマズい訳ですね。
じゃあ、岡山県がどんな動画を出してるのか、見てみよう。」
https://www.youtube.com/watch?v=QKuiGUtf9d0
樋口「岡山行くと頭おかしくなることがわかりますね。ヤバいことが少しずつわかってもらえてきたかと思うんですが、
じゃあ、こういう CMを作って魅力度をアップさせて、岡山県は何がしたいのかというと、岡山に来る人、岡山に住む人を増やしたいんです。
そう、何が何でも、岡山に来る人、岡山に住む人を増やしたい。だから、こんなことをしてるわけです。」
樋口「今、日本で少子化が進んでるってのは、みんなどっかで聞いたことあると思います。 子供の数が減って、高齢者の数が増えてきて、で、いつかはその爺さん婆さんもいなくなります。 そうすると、日本は子供の数が減るだけじゃなくて、日本の人口それ自体が減っちゃうわけです。 生まれてくる子供の数よりも、亡くなる人の数の方が多かったら、人口は減っちゃいますよね。いや、人口減ったら、住みやすくなるんじゃないのと思ってるかもしれません。でもね、ただ単純に人口が減るわけじゃないんだ。東京や大阪みたいな都心には人が集まって、地方からは人がいなくなるっていう、地域によって人口の減り方にばらつきが出るようになる。よし、髪の毛の減り具合で考えてみよう。」
樋口「ただ単純に髪の毛が少なくなるんじゃない。こうなるんだわ。」
樋口「一部だけ増えて、他の場所では完全になくなる。こーれは、ヤバいでしょ。
で、岡山県はこの黒い方と禿げる方のどちらかというと、こういう状況なんすよ。」
樋口「マズいですね。かなりマズいですよ。かなり剥げてますからね。 去年、日本創生会議というところの偉い人たちが、「消滅可能性自治体」というのを発表しました。これは、2040 年に 20 歳から 39 歳の女性の数が、2010 年と比べて半分になっちゃう自治体のことをいうんです。子供を産むことができる女性が、他の町とか県に引っ越すから、数が今の半分になる。とにかく、2040 年に若い女性の数が半分になると予想されてる町、それが地 図の「ハゲ」のところなんです。で、ハゲるのを阻止する。 岡山に住んでいる人が、東京や大阪などの都市部に移り住んでしまうのを食い止める。そして、岡山に来る人を増やし、岡山に住む人を増やす。そのために、さっきの動画を作ったりして、「岡山に来てください」っていうことをやってるわけです。
■候補者演説(13:50-14:05)※動画あり
樋口「さてここからは、選挙を行いたいと思います! 今から皆さんには、日本の架空の県、ほかやま県の住民になってもらいます。ほかやま県は、今、人口減少に悩んでるんです。 そこで、県から都会に移り住んでしまう人を少なくしたい。そして、同時に、他の町から、ほかやま県に引っ越してくる人の数を増やしたい。そのために、何ができるのか考えていきたいと思います。それでは、候補者の皆さん、どうぞ!」
3人の候補者が入場してきます。
樋口「今回のほかやま県知事選には、3 人が立候補しています。」
樋口「左から後藤寛勝さん、寺井尚輝さん、村山俊洋さんです! それでは、3人の候補の皆さんにまず演説をしてもらいたいと思います。 後藤寛勝さん、お願いします。」
後藤「みなさんこんにちは! ほかやま県知事選に立候補しています、後藤寛勝です! ほかやま県に住んでもらう人を増やすためには、まず、ほかやま県に来てもらう人を増やさなければいけません。そのために、まず、私はほかやま県にUSJ を作りたいと思います!」
「USJを岡山につくる」という夢の構想に生徒から拍手が。
後藤「ありがとうございます。大規模なテーマパークを作れば、とても多くの人が県に足を運んでくれます。ただ、USJ を作るわけじゃないですよ。瀬戸内の海を活かした、リゾート型のテーマパークを作ります。観光客を増やして、経済を活性化させて、ほかやま県に親しんでもらう。ほかやまの地方創生はテーマパークから! 後藤寛勝をよろしくお願いします!」
樋口「後藤さんありがとうございました。拍手が聞こえますねえ。そんな観光を推進したい後藤候補に質問です。」
ここからクイズミリ◯ネアが突如、始まります。音も完コピです。
樋口「皆さんが生まれた1998 年当時、東京ディズニーランドに次いで多い入場者 数を誇っていたテーマパークはつぎのうちどれ?A ナガシマスパーランド B ハウステンボス C ユニバーサルスタジオジャパン D 倉敷チボリ公園
さあ、つぎのうちどれ? みなさんも考えてみてくださいね。」
生徒たちから思い思いの回答が寄せられます。
後藤「そんなの簡単です。答えは、B の長崎ハウステンボス! 倉敷チボリ公園は3位です! ナガシマスパーランドと USJ はその時期にまだできていません! だからB.長崎ハウステンボス。」
樋口「ファイナルアンサー?」
後藤「ファイナルアンサー。」
本家ばりにもったいぶるのがポイントです。
樋口「正解!!」
後藤「よし!」
まだもう1問続きますが、そちらのほうはぜひ記事下の動画でご覧ください。
樋口「さすが、後藤候補、観光に精通していますね。続きましては、寺井候補の演説です。」
寺井「はじめまして!寺井尚輝です。私は、ほかやま県の人口を維持することに全力を尽くしたいと思います。ほかやまから東京や大阪に人が行ってしまうのを阻止したいんです。 だから、私は、このほかやまの中に、リトルほかやまを作りたいと思います! 仕事、買い物、子育て、役所。 あらゆる都市機能がそろった、コンパクトなリトルほかやまを作ります。」
寺井「そして、その町の中にはライトレールという新型の路面電車を走らせます。 コンパクトな街を、とにかく手軽に移動できるようにして、日本で一番住みや すいコンパクトシティを作ります。 田舎から東京・大阪に移動するのではなく、田舎から県内の都会に移動してもらう。みなさん、ぜひ、この寺井尚輝に一票をお願いします!」
このあと、ライトレールにかけて笑点風大喜利があったのですが、事故のごとくスベったので控えさせてください。
下手に素人が手を出してはいけないことを痛感しました。プロってすごい。
樋口「はい! ということで、以上で寺井尚輝候補の演説を終わりたいと思います。それでは、村山俊洋さん、お願いします。」
村山「こんにちは! 村山俊洋と申します。 ほかやまはほかやまらしく、農業で勝負すべきです。桃・ブドウ・マスカット。こういった農産物は、県外でも高値で売れます。だから、もっとたくさんの果物を作って、もっとたくさん売っていきたい。そのために、若い農家希望の人に、ほかやまに来てもらいたいと思います。ただ「ほかやまに農業しに来ませんか?」と言っても来てくれません。だから、新たに農業をするために、ほかやまに来てくれる若い人には、毎年300万円の補助金をあげます! さらに、最初の5年間は畑も貸します! 安心して農業が出来る環境を作って、県外からたくさんの若い人に来てもらって、住んでもらう。人口を維持するためには、農業を発展させるのが一番です! 村山俊洋をよろしくお願いします!」
ここから、生徒1人1人が面白がりながら、この候補者は本当に岡山のことを理解しているかを考えます。
樋口「はい、ありがとうございました。 では、ここで、村山さんには目隠しをしてもらいたいと思います。 今から、小さな箱を運んできますので、皆さん、中のものが何かわかっても絶対に声を出さないでくださいね。今から村山さんには、目の前に置かれてるものが何かを当ててもらいます。 」
村山「聞いてない。。」
樋口「最初にヒントを出しましょう。これは、食べ物です。岡山県での生産額は、全国で5位です。」
生徒たちは答えを口にしながら、村山の反応を身を乗り出して見ています。
男子生徒からは「動いてる!動いてる!」といった声も。
村山「うわぁぁぁ!! なんかザラザラしてる。。」
村山「わかりました! 梨ですね!」
会場は「えーーーー。」のブーイング。
村山「ちょっと待ってください。・・・あっ、わかった!」
樋口「おっ、お答えをどうぞ!」
村山「答えは、桃です!」
会場は拍手が沸き起こり、農業を売りにしてる村山候補は一安心。
樋口「はい。ということで、正解は桃ですね。岡山県は農業・水産業ともに、全国でのシェアがとても高い県なんですね。マスカットや桃なんかはとくに有名ですよね。」
■第1投票 (14:06-14:07)
樋口「はい、候補者の皆さん。ありがとうございました。 じゃあ、ここで、みんなが、どの候補に投票したくなったかを確認してみたいと思います。」
樋口「では、まず、後藤候補に投票したいと思った人!」
1/3くらいの生徒たちから拍手。
樋口「次に、寺井尚輝候補に投票したいと思った人!」
後藤候補より気持ち少ないくらいの拍手。
樋口「最後に、村山候補に投票したいと思った人!」
後藤候補とほぼ同程度の拍手。
樋口「おぉ、これはほぼ対等といった感じですね。それじゃぁ、休憩の後、候補者インタビューを行うのでそこでどの候補者がいいか、しっかり見定めてくださいね。」
■候補者インタビュー(14:11-14:30)
樋口「それでは、ここからは候補者の皆さん一人一人にインタビューをしたいと思い ます。 3人へのインタビューが終わった後に、みなさん各自でディスカッションをし てもらいます。そして、投票を行います。なので、3人の政策をよく聞いておいてくださいね。それではまず寺井さん、どうぞ!」
寺井「よろしくお願いします。」
樋口「寺井さんの政策は、コンパクトな街を作って、そこにプラレールを走らせて…」
寺井「プラレールじゃないです、ライトレールです。次世代型路面電車です。」
樋口「失礼しました。コンパクトな街を作って、ライトレールを走らせて、ほかやま 県から外に出ていく 人をなるべく減らそうというのが、寺井さんの政策ですね。」
寺井「そうです。県内のある程度大きい街に、全ての都市機能を集中させます。 役所も、保育園も、小学校も、大学も、1つの街の中に作ります。 病院も、介護施設も、ショッピングモールも、街の中に作ります。その街に住んでいれば、子供も、お年寄りも、子育て中の家族も、一生安心して 暮らせるような街を作ります。」
樋口「なるほど。えーっと、なんて街をつくるんでしたっけ?」
寺井「リトルほかやまです。」
樋口「作っちゃう。リトルほかやまって、あのサッカーの本田選手のリトル本田のほかやま版ってことですよね。じゃぁ、僕、本田やるんで寺井候補は遠藤をやってもらって、サッカーで説明してみましょうか。」
※下の動画にまとまってるので、ご覧ください!!
樋口「遠藤。あそこに、コンパクトな街を作って、ライトレールを導入するっていうゴールが見えるな。」
寺井「あぁ、見える。」
樋口「ただ、その前に予算の壁があるな。」
寺井「そうだな。」
樋口「あれは大体、いくらなんだ?」
寺井「ライトレールを1つの都市に導入するために、大体50億円。今回は3つの都市に導入したいから、予算は約150億円だな。」
樋口「あの壁に並んでる3人は誰だ。」
寺井「あれは右からメッシ、ネイマール、クリスチアーノ・ロナウド。」
樋口「3人の年俸を足すと?」
寺井「120億。」
樋口「ライトレールは?」
寺井「150億。。」
樋口「それは高いな!ライトレール、かなり高いな。待て、もしライトレールを作らなかったら、そのお金で、ファジアーノほかやまにあの3人呼べるんじゃないか?」
寺井「たしかに呼べる。でも、もし仮に3人が来たとしても、試合を見に来る観光客はほかやまが目的じゃない。3人を見に来るんだ。観光客が増えるだけじゃ、何の意味も無い。」
樋口「なるほど。そうだ、後藤候補はほかやまにUSJを作ると言っているけどどう思う?」
寺井「USJ への観光客は、ほかやまへの観光客じゃないからなぁ。 観光客を増やすだけでは人口減少は解決しない。だから、コンパクトシティを作るべきだと思う。」
樋口「はい、ここで交代です。みなさん、寺井尚輝候補に拍手!!」
拍手を受け、寺井候補退場。
樋口「オーケー。じゃあ、今のをおさらいしよう。 寺井候補の政策は、1つの街で全て事足りるというような街、これがコンパクトシティだ。 そして、そのコンパクトシティを県内に3か所作る。コンパクトシティの中の移動手段として、ライトレールを導入する。 だけど、このライトレールは馬鹿みたいに高い。しかも、コンパクトシティを作ると、周りの田舎町から人が移り住んできてし まう。 確かに、県の外に人は移動していないけど、県の中で、人口にばらつきが出てくるね。では、次の後藤候補にいってみようか!」
後藤「こんにちはー!」
樋口「後藤さん、よろしくお願いします。後藤さんの政策は、USJ を誘致することで観光客を増やし、県に来てもらう人 の数を増やすというものでしたね?」
後藤「そうです。 いきなり「ほかやまに移住しろ。引っ越してきて」と言われても、 「ほかやま県ってどんなところ?」 「今までと同じ生活ができるのかなあ。」と思う人が多いはずです。 だから、一度、県に来るきっかけを作って、「ほかやまって結構、暮らしやすいじゃん」と思ってもらう必要があるんです。」
樋口「うーん、それ本当にできますか? さっき寺井候補は「USJ への観光客は、ほかやまへの観光客ではない」と言っ ていましたが。どう思いますか?」
後藤「私は、そうは思いません。USJ のアトラクションの中に、ほかやまらしさを取り入れていきたいと思いま す。」
樋口「なるほど。でも、やっぱり、USJ に来た人が「この県、住みやすい」とはならないと思うんですが。」
後藤「そうならないためにも、私は USJ の隣に巨大ショッピングモールを建設したい と思います。 「これさえあれば東京と変わらない」と言えるようなメガモールを作ることで、 ほかやま暮らしの便利さを体感してもらいたいと思います。」
樋口「生徒の皆さん、いいですか。ここは、限りなく岡山に近いほかやま県ですからね。今、駅前にアリオと三井アウトレットがある。そして、ほかやま駅に行くと、イオンモールとジョイフルタウンがある。後藤候補は、この状態で、さらにデカいメガモールを作ると言ってるわけだ。サッカーゲームで例えてみよう。俺は、今、 FIFA2010と FIFA2015を持ってる。 俺の弟は、ウイイレ2010とウイイレ2015を持ってるんだ。 この状態で、どこのバカが FIFA2016買うんだってことなんだ。」
樋口「買うんですか!? 実際、USJ を作って、その周りに巨大なショッピングモールを作るとなると、 1000億円くらいのお金が必要になりますよね。そのお金はどうするんですか?」
後藤「テーマパークとその周辺の施設の建設費は、全額、国に負担してもらいます。県は、一切のお金を負担しません。」
樋口「それは、凄いですね。。 ただ、その場合だと、国の負担が増えて、国の借金が増えることになりますよね。それは、良くないと思いますが?」
後藤「人口減少が進んだ原因は国にあるんだから、国にほかやまに USJ を作ってもらいます!」樋口「なるほど、わかりました。以上で後藤候補のインタビューを終わります。後藤候補に拍手!!」
拍手を受け、後藤候補退場。
樋口「まとめます。後藤候補の政策は、USJ を建設して、その周りに大型ショッピングモールを作 るというものでした。県の魅力を知ってもらうきっかけとして、マリンスポーツが楽しめるテーマパ ーク。 その隣に、東京と変わらないような便利な生活ができるようなメガモールを作る。チボリ公園の例から分かる通り、テーマパークは採算が取れるかわからない。しかし、既にショッピングモールは大量にあるし、テーマパークを作るのには、膨大なお金が必要になる。 費用は国に負担してもらうが、それは結局、国民の負担になるってことですね。さて、それでは最後に村山候補を呼んでみましょう。
村山「よろしくお願いします。」
樋口「よろしくお願いします。 村山さんの政策は、ほかやまに農業をしに移り住んでくる若者を増やすというものでしたよね?」
村山「はい。そうです。新しく農家として働いてくれる若者には補助金を出したり、畑を貸したりして、環境を整えます。」
樋口「じゃあ僕が「新しく農業を始めてみたいんだけど決心がつかない東京の若者」をやるんで、村山さんは僕を説得してみて下さい。」
村山「わかりました。」
樋口「すいませ~ん。ほかやま県農業推進課っていうのはこちらですか?」
村山「はい、そうです。どういったご用件でしょうか?」
樋口「あ、あの僕、東京から来たんですけど、農業を始めてみたいなと思いまして。」
村山「それでしたらぜひ、ほかやま県で農業を始められるのが良いと思いますよ! 今、お得なキャンペーン中なんです。」
樋口「キャンペーン?」
村山「そうです。 新たにほかやまで農業を始めてくれる人にはなんと300万円をプレゼント! しかも豪華特典として空き家、畑、農業機械、肥料、かかし、隣の家のおばあちゃんが、なんと今なら無料でついてくるんです!」
樋口「いや、おばあちゃんは要らないです。」
村山「さらにさらに、もし農作業のやり方がわからなかったり困ることがあったら、 地域の人が無料でサポートもしてくれるんです。」
樋口「それは、かなりありがたいですね。」
村山「ただ、こちらの無料サポートは事前に地域の集まりに加入する必要がありまして、こちらに加入しなかった場合、無料サポートが受けられないだけでなく地域の住民の方から無視される、冷たい目で見られる、変な噂を立てられるなどの特典が付いてきます。」
樋口「え、怖すぎません?」
村山「もしかして、田舎暮らしになることに生活の不安を感じていらっしゃいませんか?」
樋口「そうなんですよ。うちの妻が田舎に引っ越すなんて絶対ヤダ。スタバが無い所なんか住めないってうるさいんですよ。」
村山「それなら心配しないでください。 このほかやま県には、カフェ、カラオケ、バスなど様々な娯楽があるので東京と変わらない暮らしができますよ!」
樋口「なるほど、わかりました。それでは、これでインタビューを終わりたいと思います。村山候補、どうもありがとうございました!」
村山「ありがとうございました!」
拍手を受け、村山候補退場。
樋口「村山候補のインタビュー内容をまとめますが、村山候補は農業をしにほかやま県に移り住む若者を増やすために、お金やつながりのない若者に300万円という資本金と住むための空き家をあげたうえで、さらに農地、農業機械といった農業をすぐ始められる用意もしてくれるという政策です。ただこわいのは、地域の集まりにちゃんと加わらないと暮らしにくくなるみたいですね。では、最初の演説と今のインタビューを踏まえた上でどの候補が良かったかディスカッションしてみましょう!」
■ディスカッション (14:30-14:45)
樋口「それでは、ここからはディスカッションの時間にします。 これまでの議論をもとに、自分はどの政策が良いと思うか、ディスカッションシートを元にグループで話し合 ってみて下さい!」
先生の指示で4~6人ほどの班になって、みんなそれぞれ思ったことから話し始めました。
■投票(14:46-14:51)
樋口「みなさん、どの候補に投票したいか、決めましたか? 今から、本物の投票箱と投票用紙を使って、選挙をしてもらいます。 投票の仕方は、実際の選挙と同じで、ポイントは3つです。
1. 一人一票。かならず一人が一票を投票します。
2. 無記名投票。票に自分の名前を書いたり、ハンコを押す必要はありません。
3. 直接選挙。誰かに頼んで投票してもらうのはナシです。 では左側のグループから、順番に投票をお願いします。 」
ここからは先生方にご協力いただき、記載台での記入と投票箱への投票を促しました。
■開票・結果発表 (14:52-14:54)
樋口「それでは、皆さんの投票の結果、誰が当選したのかを確認しましょう!!」
樋口「候補者の3人は、前に出てきてください。開票結果は、、、」
樋口「後藤寛勝候補 70票 寺井尚輝候補 69票 村山俊洋候補 92票ということで、新しいほかやま県知事に選ばれたのは村山候補です!! 最初に拍手してもらった時と、かなり変わったのが面白いですね。こんな風に、候補者の政策をしっかり考えて投票できるようになるのが、1番いいんですね。」
樋口「さて、最後に、本物の岡山県の話をしておきましょう。実際のところ、岡山県の人口は激減してるわけじゃありません。月単位では、増えている時もあります。でも、最初に見せたハゲの地図は本当です。2040年までに、多くの若い女性が他の自治体に移り住んでしまいます。これから岡山で行われる選挙では、「地方創生」とか「人口減少」という言葉がテーマになるかと思います。その時はぜひこの写真を思い出してください。」
樋口「ということで、ほかやま県知事選は、これにて終わります。ありがとうございました!!」
ダイジェストムービーはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=fJorx80p-Ig
◼︎まとめ
後藤『皆さん、今日は2時間も僕たちの授業にお付き合いいただきありがとうございました。授業が始まる前にも同じ質問をしましたが、もう1度させてください。
「政治や倉敷のまちのことに興味がもてたよ」って人は手を挙げてください。
(半分ほど手が挙がる)
おおおお。ありがとうございます! 最初は0人だっただけに嬉しいですね。
皆さんに向けて、今から少しだけ真面目な話をしたいのでちょっとだけ静かにして話を聞いてもらえると嬉しいです。
さっき聞いたんですけど、倉敷市に住む皆さんには、この1年間で4回も選挙があるみたいです。
高校2年生の皆さんの多くは、18歳選挙権の成立で来年から選挙権を持つ人が多いはずですよね。
その時に今日みたいに僕の目の前で投票用紙をビリビリに破ってみたり、先生の名前を書いてみたり、アンパンマンって書いてみたり。そんなことをする人がいるかもしれません。もしくは興味が持てずに投票にも行かないとか。
僕らは、選挙に行くことが正解だと思っていないし、選挙に行ってください、政治に興味を持ってくださいという呼びかけは絶対しないつもりです。
でもひとつだけ言いたいことがあるとすれば、皆さんにとって「投票」は社会を動かすひとつのツールだということです。
突然ですが、今の生活に満足している人は手を挙げてみてください。
(半分以上、手が挙がる)
おお。ありがとうございます。
では、10年後、この満足が続いていると思う人は手を挙げてみてください。
(手が挙がらない)
おおお。先生も手が下がるくらいですね。
今、日本は急速な少子高齢化によって人口も減り、課題は増えていく一方です。
日本が抱える課題は増えているのに人が減っていく時代なんです。
今の幸せが10年後も続いているかと言って胸を張って続いていると言える保証なんてどこにもない。
だから一人一人がもっとこの倉敷のことを考え、少しずつでも行動していくことが大事だと僕らは思っています。
ただ、今こんなこと言われても「何言ってんだ」とか「意味わかんねー」とか「意識高い」ときっと受け入れることは難しいと思います。僕もそうだったから。
もし皆さんが社会や政治、倉敷のまちのことについて興味を持てて、課題を見つけた時、でかいアクションはできなくても「投票」というひとつの技を皆さんが持っているということだけは忘れないでほしいなと思います。
また会える日を楽しみにしています。今日は本当にありがとうございました。
NPO法人僕らの一歩が日本を変える。一同でした。』
写真は、ぼくいち一同と松永先生、選挙管理員会のお2人と。
■スタッフ
Producer:後藤寛勝(Hirokatsu Goto)
Planner:樋口彗(Kei Higuchi)
Director:樋口彗(Kei Higuchi)/後藤寛勝(Hirokatsu Goto)/村山俊洋(Yoshihiro Murayama)/寺井尚輝(Naoki Terai)
Assistant director:原山直人(Naoto Harayama)
Art director:星野大秀(Taishu Hoshino)
PR:今井郁弥(Fumiya Imai)
Crew:松永一輝(Kazuki Matsunaga)
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