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2015年11月26日葛飾区立本田中学校票育授業レポート

2016/01/12

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みなさんこんにちは。
スクールユニットの古井です。
今回は、2015年11月26日に葛飾区立本田中学校にて実施させていただきました「票育」について報告します。

今回の票育は、財政破綻をテーマにした模擬選挙。
架空都市、ツカシカ区(実施校の葛飾区を文字ってあります!少し言いにくい!)は依存財源(うーん、なんだムズカシイ!あとで説明します!)頼みの財政が破綻し、お金が無くなってしまいました。

そこで立ち上がった三人の候補者たち。節約、増税、企業誘致と提示された3つの対策の中で何が一番良いかを
生徒さんに選んでもらう、そんな流れで授業を行いました。

授業が始まる前に、学年主任の先生から、
「申し訳ないんですけど、生徒たちはあまり、こういった、政治といいますか、そういうものに興味がある子たちばかりじゃないので、難しい言葉とかあんまり使わんようにしてくれると助かります。」
といった言葉を。たしかに、入場してきた生徒さんたち。超、興味なさそう。
古井は初めての票育だったこともあり、既に手汗はぐっしょりなのに、冷や汗も止まらない。
不安いっぱいでのスタートでした。

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②

さて、そんな今回の授業のキーポイントの一つは依存財源。
依存財源?はい、区の財源(収入)のうち、国や都からもらう交付金(お小遣いみたいなものですね)のことを
依存財源といいます。
そんな依存財源、実は今回票育を行う葛飾区、とても多いのです。
依存財源が多いとどうなる?
はい、もしそのお金がもらえなくなると、急に自分たちの町の行政サービスの質や量が落ちちゃう可能性があるということなんですね!

例えるならば。
恋人関係にあった女の子が、彼氏であった男の子からもらっていたお小遣いがあるとします。
③
しかし、100年の愛にも終わりが来ることも。
二人の関係が引き裂かれてしまうと、
④
彼女は今までもらっていたお金をもらうことができなくなり、使えるお金もその分減ってしまいます。
すると、例えばファッションも、
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こんな風に、制限しなければいけないことがでてきてしまいます。
⑥
これは、ヤバイですね。

票育は「自分たちの町の課題を発見する能力」の習得を目標の一つにしております。自分たちの町、葛飾がこの
依存財源に頼っている状況であることを楽しく、分かりやすく理解してもらうこと。
今回の授業でもそのポイントはしっかりと抑えていきます。

その後、クイズもはさみつつ、事前学習を終えるといよいよ候補者の登場です。
今回は、候補者の演説・討論会に加え、各候補者のツイートからその主張の是非を探っていく、
「情報収集」の場面が導入されました。
⑦
なにか社会に問題が起こり解決策を見出さなければならないとき、
①似たような海外の事例から、
②詳しい情報やデータから、
③歴史的な観点から政策を導き出す方法があることを勉強しました。

そして、特に、地方経済分析システムであるRESASを使って、詳しい情報やデータを導き出すことで、
必要な政策を割り出していくことの大切さもピックアップしました。
(最終的に、増税を主張した候補者が当選するのですが、住民税が23区の中で二番目に低いツカシカ区(葛飾区)は増税することも不可能ではない。そんな主張に、生徒は力強さを感じたようでした。)
⑧

そして、その後は今回の票育で、特に印象的だったディスカッションタイム。
演説・討論会・情報収集を経た上でどの候補者を最も支持したいかをグループで話し合ってもらいました。

今回は2時間の授業だったこともあり、休憩を挟んでからのディスカッションだったのですが、なんと休憩の
途中から、すでにアツい議論を開始している班がちらほら。

「お金がないんでしょ?じゃあ増税するしかないじゃん。」
「でも、そんなことしたら100均がもう100均じゃなくなっちゃうんだよ。」
「でも増税って消費税のことなの?所得税かもしれないし他の税金かもしれないじゃん!」
「最初の候補者しか、いくらの経済効果があるか話してなかった。あとは数字を語ってないから信用ならない。」
「そんな事言ったら僕はどの人も信用できないけどね。」
「企業誘致だよ!だって候補者が絶対誘致できるって言いきってるじゃん!」
「でもその根拠はないんだよ!」

本当に彼らは「政治に興味のない」中学生たちなのか!?
最初の心配は何のその、いつのまにか彼ら彼女らはところどころで喧々諤々の議論を繰り広げ出します。
しかも!楽しそうに!

「え、まって、じゃあさ、企業誘致失敗したら増税すればいいんじゃない?」

「それよりもさ、増税続けて、企業誘致成功したら元に戻せばいいんじゃない?」

そして、議論はいつの間にか、候補者が示した選択肢以外の折衷案を生み出していました。
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そんな盛り上がりの中で幕を閉じた今回の票育は後の反響もすごかったです。
授業後、Twitterで授業の感想をつぶやいてくれる生徒さん、ぼくいちのアカウントをフォローしてくださる
生徒さん、「最近、政治に興味を持ち始めた」なんて書いてくださる生徒さん、予想以上の反響に
運営一同感涙しました!

ありがとうございます。でも、中学生の皆さん、SNSの利用にはくれぐれも注意を払ってくださいね!

さて、そんなこんなで票育デビューをさせていただいたわけですが、素敵な生徒さんたちに、しっかり政治を
お届けできていたようで本当によかったです。

これからも、「若者と政治に新しい出会いを届ける」べく、全国を飛び回って参ります。
どうぞ関係者の皆様、引き続きよろしくお願いします!

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票育とは、課題の発見と課題へのアクションをセットで学び、
主体性を育むことのできる中立で新しい政治教育です。
全国各地の中学高校での出前授業、人材派遣、プログラム提供を行っています。
https://boku1.org/activity/project07/
プログラムは、毎回派遣された若者が、実施する地域の特徴や学校の希望に沿ったオーダーメイド型でご用意。基本的な模擬投票の授業から投票を目的としない応用的なものまで、どれも政治と対極にあり、興味関心の入り口であるエンターテイメント性を兼ね備えた授業となっております。
※政治的中立を保っており、特定の思想や信条について学んでいただくものではございません。
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